Pointwise encoding time reduction with radial acquisition(PETRA)
PETRAはTEが極めて短いため、乱流による位相分散や金属アーチファクトを最小限に抑えることが可能です。特に脳動脈においてはUltra short TE sequenceであるPETRAの有用性が多数報告されております。
金属アーチファクトが問題となるMRIでPETRAを使用すると、血管撮像では通常のMRA撮像に比べ金属アーチファクトが低減されるため、クリッピングなどの治療後の脳動脈の評価が可能となります。
また関節にPETRAを用いた場合、従来のTEでは高信号で捉えることが難しかった腱や靱帯が高信号に描出されます。少し大袈裟かもしれませんが、PETRAは今まで見えなかった物質が見える可能性がある検査と言えるのかもしれません。当院では関節の検査にもPETRAを使用し、研究を行っております。
もう一つPETRAの最大の利点として上げられるのは、傾斜磁場の立ち上げが緩やかなため、通常のMRI検査より音の煩わしさがないという点です。
MR angiography
PETRAを使用した頭部MRA(Ultra short TE MRA)
従来のTOF-MRA(左)ではクリッピング後やコイリング後の血管は金属アーチファクトにより描出が難しかったが、PETRA(右)ではクリッピング後やコイリング後の血管も描出可能となる。
PETRAを使用した頚部MRA
PETRAは乱流や位相分散が問題となる血管の分岐部も明瞭に描出される。
整形領域
肩関節
A.T1強調像 B. PETRA
PETRAは肩では腱板・関節包が高信号で描出される。
臨床応用:拘縮肩
A.脂肪抑制T2強調像 B.PETRA
拘縮肩においては、PETRAは関節包の肥厚が高コントラストで描出される。
手関節・膝関節
手関節・膝関節において、脂肪抑制プロトン密度強調像(A,C)に比べPETRA(B,D)は靱帯や腱が高信号で描出される
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