腹部の疾患
画像診断で発見した、腹部の疾患の事例を紹介します。
肝癌
機器 | CT |
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造影剤 | アリ |
- [ CT腹部 診断情報提供書 ]
所見
腹部MRI:
肝右葉に分葉状形態の大きな腫瘤(75mm大)を認めます。造影効果は弱い印象を受けます。
門脈右枝に腫瘍塞栓と考えられる腫瘤が観察されます。腹部リンパ節は累々と腫大している状態です。鑑別診断肝内胆管癌、HCC、転移が挙げられます。門脈腫瘍塞栓が見られることからはHCCの可能性が高いと思われます。腫瘤の造影効果は弱く、動脈相での濃染はさほど強い状態とはいえません。肝内胆管細胞癌の可能性も考えられます。転移性肝腫瘍ではないと思われます。診断には腫瘍マーカー(CEA、CA19-9、AFPなど)を考慮する必要があります。
腹部リンパ節が累々と腫大していますが、リンパ節の転移の頻度が高いのはHCCよりは胆管細胞癌と思われます。
またHCCと判断するには造影効果が低いのですが、塊状型のHCCの場合は造影効果が弱いことがありうます。本症例はHCCもしくは肝内胆管細胞癌のいずれかと考えられますが、まれにいずれも含む混合型が存在することがあります。
その他、腹水貯留像はありません。胆嚢、膵臓に明らかな異常を認められません。右腎嚢胞を認めます。左腎に異常を認めません。
診断
肝腫瘍、門脈腫瘍塞栓(+)、腹部リンパ節転移⇒塊状型HCC疑いですが、胆管細胞癌を含む混合型腫瘍の可能性を否定は出来ませんでした。
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