頭部検査の結果の見方|各検査の見方・解説|MRI検査,CT検査 等の画像診断 依頼,健診会 東京メディカルクリニック

頭部検査の結果の見方

頭部検査所見の解説・見方

虚血性変化

MRIではFLAIR画像で白く(高信号)描出されます。虚血性変化は、高血圧・喫煙・糖尿病・脂質異常などの生活習慣病の危険因子をお持ちの方、あるいは以前もっていた方に多く見られます。 こうした変化がみられる場合は、生活習慣の改善に留意が必要です。

脳梗塞(急性期)

主にアテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症があります。
アテローム血栓性脳梗塞の発症は緩除であり、夜間や安静時が多いと云われています。一過性脳虚血発作(TIA)を繰り返すことが多く、閉塞する血管によって症状はさまざまです。意識障害はあまり見られません。心原性脳梗塞栓症の発症は突然起こり、日中活動時が多いと云われています。TIAの前駆も時々あり、閉塞する部位によって症状はさまざまです。皮質を含む広範な梗塞を形成することが多く、意識障害もしばしば認めます。超急性期(発症~6時間)の脳梗塞は、MRIの拡散強調像のみで白く(高信号)描出されます。

脳梗塞(ラクナ)

基底核や視床、深部白質、脳幹など脳実質深部を走行する穿通動脈の閉塞により、その支配域に生じる小さな梗塞をラクナ梗塞と言います。発生部位によっては無症状のことも多いですが、手足の脱力、しびれや構音障害(うまく話せない状態)などの症状があります。超急性期(発症~6時間)の脳梗塞は、MRIの拡散強調像のみで白く(高信号)描出され、急性・亜急性の同定が可能です。

脳動脈瘤

脳動脈瘤は、脳の動脈の脆弱化や皮薄化した一部がこぶや風船のように膨らんだもので、動脈壁が高血圧や血流分布の異常などのストレスを受け、徐々に拡張したものと考えられています。通常は脳動脈瘤ができても、症状が現れないことがほとんどです。まれに大きくなった脳動脈瘤が組織や神経を圧排し、症状が現れることがあります。脳動脈瘤に気づかず破裂してしまった場合(くも膜下出血)には、激しい頭痛、複視、吐き気・嘔吐、項部硬直、意識消失などの症状がおこります。脳動脈瘤は、MRA画像でこぶ状や風船様に描出されます。

脈絡叢嚢胞

側脳室三角部に後発し、MRIではFLAIR画像で水よりやや白く(やや高い信号)描出され、拡散強調像では白く(高信号)写ることがあります。ほとんど症状はなく、通常20mm以下ですが、大きい場合は稀に脊髄の循環障害を起こし、頭痛・嘔吐・視力障害などを来すことがあります。

くも膜嚢胞

MRIでは、すべての撮像法で水と同程度の信号として描出されます。ほとんど症状はなく、画像検査で偶然見つかることが多い病変です。時にてんかん発作、頭痛、視覚異常があり、稀に硬膜下血腫を伴うことがあります。

透明中隔腔

MRIでは、すべての撮像法で水と同程度の信号として描出されます。通常症状はなく、画像検査で偶然見つかることが多い病変です。腔が非常に大きい場合は痙攣発作が起こることがあり、嚢胞化した場合は稀に水頭症を生じ、頭痛・嘔吐・視力障害などを来すことがあります。

頭部MRI検査画像の用語解説・見方

MRA(エムアールエー)

MRA(エムアールエー)

MRAは、MRI検査で血管を立体的に描出した画像のことです。血管の一部が瘤(こぶ)状に盛り上がった脳動脈瘤や、毛細血管が正常に形成されず動脈と静脈が直接つながってしまう動静脈奇形などを早期に発見することができます。

DWI(拡散強調画像)

DWI(拡散強調画像)

DWIは、癌や急性期脳梗塞などが白く(高信号)写る画像のことです。
全ての癌が写し出せるわけではありませんが、高確率で写し出すことができます。

T1強調画像

T1強調画像

T1強調画像は、水が黒く(低信号)、CTのように骨が白く(高信号)写り、解剖学的な構造が捉えやすいという特徴があります。出血(亜急性期)は白く(高信号)写り、ほとんどの病変は黒く(低信号)写ります。

T2強調画像

T2強調画像

T2強調画像は水が白く(高信号)写り、多くの病巣が白く(高信号)描出されるため、病変の描出に有用とされています。

FLAIR画像

FLAIR画像

FLAIR画像はT2強調画像で水が黒く(低信号)写るようにした画像です。頭部では、脳室に隣接した病巣や虚血性変化などの白質病変が明瞭に描出されます。

横断像(Axial・Transverse)

横断像(Axial・Transverse)

矢状断(Sagittal)

矢状断(Sagittal)

冠状断(Coronal)

冠状断(Coronal)

ページトップへもどる